オーダーメイド枕を作ろうと思って値段を調べると、9,800円から66,000円までという、6倍以上ひらいた数字が出てきます。
同じ「体を測って作る枕」なのに、なぜここまで差が出るのでしょうか?
高いほうが良い枕なのだと思っていましたが、そういうことではないのですか?
枕そのものの差もありますが、それだけではないんです。オーダーメイド枕は買ったあとに何度も直しに行く枕なので、その直す代金が値段に入っているかどうかで変わるんですよ。
オーダーメイド枕は、買って終わりの枕ではありません。中の材料は使うほどつぶれていくので、店で高さを直してもらいながら使います。
その直す代金を、枕の値段に含めている店と、あとから1回ごとに取る店があります。だから本体が安い店ほど、10年後の合計では高くなることがあります。
この記事では、オーダーメイド枕を作れる14社の値段を全部並べたうえで、10年使ったときにいくらになるかまで計算しました。
オーダーメイド枕の値段は6倍以上ひらいています
まず、本体の値段だけを見ていきます。いちばん安いのはまくらぼの9,800円、いちばん高いのはじぶんまくらの66,000円でした。
ただし、9,800円と66,000円を並べて比べても意味がありません。安いほうは若い世代向けに材料と調整できる場所を減らしたモデル、高いほうは店の最上位モデルだからです。
値段の見当をつけるなら、各店が中心に置いているモデルで比べるほうが近いです。9社の主なモデルが、税込2万円台から3万円台に入っていました。
だいたい3万円くらいを見ておけば良い、ということですか?
そう考えておくと大きく外れません。ただし3万円を超えるモデルは、材料の種類が増えたり、直せる場所が増えたりしているので、中身は違いますよ。
なお、値段をサイトに出していない店も2社ありました。FITLABOは取扱店ごとに値段を決める仕組みで、睡眠改善研究室は問い合わせて聞く形です。
それぞれの値段の幅と、中心に置いているモデルの値段を並べます。安い順です。
出典:じぶんまくら/マイまくら/ピロースタンド/ロフテー枕工房/山田朱織枕研究所/まくら株式会社/西川/日本橋西川/ミヤサカ/まくらぼ/まくら先生/i+Pillow
ここに載せた各社の条件は、2026年9月に公式サイトで確かめたものです。
枕の値段には、測ってもらう代金も入っています
オーダーメイド枕の値段が既製品より高いのは、枕の材料代だけではありません。
作るときは、首の骨のカーブや肩の高さを測るところから始まります。

細い棒が並んだ器具を首に当てると、棒が押されて首の形がそのまま残ります。横についた目盛りで、カーブの深さを数字にします。
測った数字をもとに、小部屋ごとに中材を入れて高さを作ります。それから実際に寝てみて、その場で高さを直します。

かかる時間は30分から1時間ほどで、その間ずっと店の人がついています。
測って、作って、寝てみて、直すところまでの手間の代金が値段に入っています。だから同じ材料でも、既製品と同じ値段にはなりません。
値段に入っているものは、店によって少し違います。枕カバーが別売りの店もあります。まくら株式会社のTHE PILLOWは、専用カバーが5,500円の別売りです。
枕を買ったら、カバーも一緒に付いてくるものだと思っていました。
付く店もありますが、別売りの店もあります。カバーは洗い替えに2枚ほしくなるので、そこも入れて考えておいてください。
合わない枕を買い足すと、値段で追い抜かれます
3万円と聞くと、枕にしては高いと感じます。ただし比べる相手は、店に並んでいる枕1つぶんの値段ではありません。

床に並んでいるのは6つです。どれも買ったときは、これで治ると思って選んでいます。
かりに1つ5,000円で買ったとすると、6つで30,000円です。じぶんまくらのレギュラー(33,000円)とほとんど変わりません。
言われてみると、合わない枕を何度も買っていました。
枕難民と呼ばれる状態ですね。合わない枕は捨てるわけでもなく、押し入れにたまっていくのが困るところなんです。
既製品を買い足していくやり方には、困ったところが2つあります。
- 合うかどうかは、買って寝てみるまで分からない
- 合わなくても、その枕を直すことはできない

横から見ると分かるとおり、既製品の高さは最初から決まっています。少し高い、少し低いと感じても、中の材料を足したり抜いたりはできません。
値段の差は、合わなかったときに直せるかどうかの差でもあります。直すことを前提にしていない枕と、値札だけを比べても話が合いません。
オーダーメイド枕はメンテ代で総額が変わります
ここからが本題です。オーダーメイド枕は、直しに行くことを前提に作られた枕です。
オーダーメイド枕のメンテナンスは、店に持っていって高さを調整し直してもらうことです。
やるのは主に3つ。中材を足したり抜いたりして高さを合わせ直すこと、へたった中材を新しいものに入れ替えること、寝姿勢をもう一度見てもらうことです。
必要になる理由は、枕そのものが変わるからだけではありません。体重が増減したり、下に敷いているマットレスを替えたりすると、同じ枕でも合わなくなります。作って終わりではなく、通い続けて調整していく商品だと考えてください。
では、どれくらいの間隔で直しに行くのでしょうか?頻度をはっきり書いている店は少ないのですが、FITLABOは「半年〜1年に1回の調節が必要です」と書いています。
半年に1回なら、10年で20回です。1回いくらかかるかで、10年後の合計は大きく変わります。
直す代金の決め方は、店によって次のように分かれていました。
- ずっと無料……枕の値段に直す代金が入っている
- 期間だけ無料……1年や2年を過ぎると1回ごとに払う
- 最初から有料……1回ごとに払う
- 金額が書いていない……有料と書いてあるが、いくらかは分からない
それぞれの店の、無料で直せる範囲と、無料が終わったあとの金額を並べます。
無料が終わったあとの金額を出していない店が9社ありました。買う前に総額を計算できないということです。
10年ぶんで計算すると、安い店と高い店が逆転します
半年に1回、10年間で20回直したと考えて、枕の値段と直す代金を足してみます。
直す代金を公表している店だけで計算しました。金額を出していない店は、計算のしようがないので入れていません。
数え方:1年目の2回は無料。残り18回を1か所880円で直した場合
数え方:何度でも無料なので増えません
数え方:永久メンテナンス保証なので増えません
数え方:永久無料なので増えません
数え方:2年間は無料。以降2年ごとの更新料4,400円を4回
数え方:1回8,800円を5回。返送料は別に客が払う
数え方:880円は1か所の値段。4か所直すと1回3,520円で、残り18回ぶん
枕の値段だけを見ると、ピロースタンドのいちばん安い段が13,200円で、マイまくらのレギュラーは44,000円です。3倍以上の差があります。
ところが10年ぶんを足すと、ピロースタンドは29,040円、マイまくらは44,000円のままです。差は14,960円まで縮みました。
それでも、まだ安いほうが得なのではないですか?
1か所だけ直したときの計算だからです。実際には、頭の当たる所と首の所をまとめて直すことが多いんですよ。
ピロースタンドの880円は1か所ぶんの値段です
ここが見落としやすいところです。この金額は、枕を1か所直すごとにかかります。何か所直しても880円、ということではありません。
オーダーメイド枕は、いくつかの小部屋に分かれていて、部屋ごとに材料を足したり抜いたりして高さを作ります。ピロースタンドは最大4か所を直せる構造です。
4か所まとめて直すと、1回で3,520円です。10年で18回直したとすると、直す代金だけで63,360円になります。
枕の値段と足すと76,560円です。同じ店の永久無料のモデル(44,000円)を、32,560円も上回りました。
安いほうを選んだのに、高いほうより払うことになるのですか?
直す回数が多い人ほど、そうなります。枕の値段の差より、直す代金の積み上がりのほうが大きくなるんです。
同じことが、まくら株式会社のTHE PILLOWでも起きます。枕は27,500円で、14社の中では真ん中あたりの値段です。
ただし直すときは、店に持ち込むのではなく千葉県の専用ファクトリーへ送ります。1回8,800円で、送るときの送料は自分で払います。
2年に1回だけ送ったとしても、10年で44,000円です。合計は71,500円で、じぶんまくらのレギュラー(33,000円)のほぼ2倍になります。
自分で直す道も用意されていて、中材は1袋3,300円で売られています。ただし何をどれだけ入れるかは自分で決めることになります。
メンテ代が無料でも、通えない店では枕を直せません
「直す代金は無料です」と書いてあっても、そのまま受け取れない場合があります。通える場所に店がなければ、その無料をあなたは使えないからです。
FITLABOは10年間無料ですが、買ったお店に持っていく決まりです。引っ越すと、その1軒に通うことになります。
ミヤサカは長野県内の3店舗です。i+Pillowは横浜市の1店舗が窓口です。近くに住んでいなければ、無料の範囲があっても使いきれません。
無料と書いてあるのに、使えないことがあるのですか?
無料の範囲が残っていても、通えなければ使わずに終わります。じぶんまくら、マイまくら、まくらぼなら、買った店以外でも直せますよ。
直す代金が無料かどうかと、直しに行けるかどうかは、別々に確かめてください。どちらかが欠けると、結局は買い直すことになります。
お店の場所と、直せる場所の決まりは、オーダーメイド枕 お店さがしで都道府県ごとに見られます。
枕を直しに行くときは、たいてい予約が要ります
直す代金が無料でも、思い立った日にふらっと行けるとは限りません。オーダーメイド枕の調整は、予約制にしている店がほとんどです。
じぶんまくらはアプリか電話で予約し、アプリの受付は前日までです。まくらぼは「必ず事前にご予約のご連絡をいただき」と書いています。
ロフテー枕工房の本店は完全予約制で、来店の2日前までにウェブで予約します。ミヤサカも来店予約制で、当日待たないように事前の予約をすすめています。
仕事帰りに寄って直してもらう、というのは難しそうですね。
枕を持っていく必要もありますから、出かける日を決めて行くことになります。半年に1回なら、季節の変わり目に決めておくと忘れませんよ。

店で直すときは、仰向けだけでなく横向きでも寝ます。肩幅のぶん高さが要るので、向きによって合う高さが変わるからです。
店に行かずに直せる店もあります。まくら先生はLINEで寝姿勢の写真を送ると、高さの変え方と中材の量を教えてもらえて、自分で直します。
まくら株式会社には、そもそも予約の仕組みがありません。サポートデスクに相談し、メンテナンス費用を払ってから枕を送ります。
直す代金だけでなく、行ける日をつくれるかまで考えて選んでください。半年に1回の外出を10年続けられる場所かどうかです。
同じ値段でも、洗える枕と洗えない枕があります
毎日頭をのせる枕なので、洗えるかどうかも値段と同じくらい気になるところです。
洗える枕のほうが高いのですか?
値段とは関係なく、選んだ中材で決まります。高い枕だから洗える、ということはありません。
どの店が洗えると書いているか、中材ごとの洗い方と乾かし方は、オーダーメイド枕は洗える?にまとめています。
店で枕を直してもらうには、購入の記録が要ります
直しに行くときに、枕だけ持っていけば良いとは限りません。買ったときの記録を求められる店があります。
ピロースタンドは、購入時のカルテを持っていく決まりです。日本橋西川は、レシートか保証カードの持参が必要と書いています。
山田朱織枕研究所は、枕カルテを店側で保管しています。会員を続けているあいだは、そのカルテをもとに調整してもらえます。
何年も前のレシートとなると、残っているか自信がありません。
枕を買ったら、カルテやレシートの置き場所を先に決めてしまってください。半年後に困るのは、たいていそこなんです。
無料で直せる期間が残っていても、記録がないと受け付けてもらえないことがあります。枕といっしょに紙もしまっておいてください。
高さが合わなくなっても、枕を買い足さずにすみます
合わないと感じたときに新しい枕を買い足すと、手元の枕が増えていきます。オーダーメイド枕なら、同じ枕を直して使い続けられます。

いまの枕が高いのか低いのかを自分で確かめる方法と、店ごとに何ミリ単位で直せるかは、オーダーメイド枕の高さにまとめています。
安いオーダーメイド枕で後悔するのは、どんなときですか?
値段の安い枕を選んで後悔するのは、たいてい次の3つの場面です。
- 直すたびにお金がかかると分かったとき
- 直せる場所が遠くて、通えなくなったとき
- 調整できる場所が少なくて、思ったところが直せなかったとき
3つめは値段と直結しています。安いモデルは、調整できる場所と選べる材料の数が減っていることが多いからです。
まくらぼのいちばん安いモデルは9,800円ですが、若い世代向けの品です。同じ店の上位モデルは、2mm単位で高さを変えられます。
ロフテー枕工房も、標準は5分割で、上位のモデルは9分割です。分割が増えるほど、体に合わせられる場所が増えます。
分割が多いほうが良いのですか?
細かく直せるほうが体には合わせやすいです。ただし作るのに時間がかかりますし、直すときも手間が増えます。首や肩に痛みがあるなら、分割の多いほうを選んでおくと安心ですよ。
選べる中材が多い店ほど、値段は上がります
同じ店の中でモデルの値段が違うのは、材料と調整できる場所の数が違うからです。
オーダーメイド枕に入れる中材は、店によって選べる種類が違います。よく使われるのは次のものです。
パイプは、ストローを短く切ったような形の樹脂です。通気性がよく、洗えるものが多いのが特徴で、硬めの感触になります。
わた(つぶ綿)は柔らかく沈む感触で、頭を包む感じが好きな人に向きます。そばがらは昔からある素材で、硬めでひんやりします。
ビーズは細かい粒で、柔らかく流動的な感触です。羽根は軽くてふんわりしますが、へたりが早い傾向があります。
高さを細かく調整したいならパイプ系、柔らかさを求めるならわたやビーズ系、と考えておけば大きく外しません。
選べる中材の数は、店によってはっきり違いました。
種類が多いと、硬さや通気性を細かく選べます。洗える材料だけを選ぶ、といった決め方もできます。
種類が多い店のほうが、体に合わせやすいのですか?
選べる幅は広がります。硬さも通気も選べますし、洗える材料だけで作ることもできますよ。
上位のモデルほど、調整できる場所の数も増えます。値段の差は、枕の見た目ではなく、こうした直し方の細かさに出ています。
子ども用のオーダーメイド枕はいくらですか?
子ども用を出している店もあります。まくら先生の「Grow UP!」は、レギュラー11,000円、プレミアム17,600円、ミルフィーユ22,000円です。
大人用より安いのは、材料の量が少ないからです。体が大きくなると合わなくなるので、直しに行けるかどうかは大人用より大事になります。
身長が伸びたら、作り直すことになりますか?
中材を足して高さを変えられるので、多くは直して使えます。肩幅が大きく変わったときは、枕の大きさそのものを見直すことになりますね。
店に行かずにオーダーメイド枕を作れる会社もあります
近くに店がない場合は、測りに行かずに作る方法もあります。
まくら株式会社のTHE PILLOWは、店で測りません。スマホの診断に答えると、12万件の睡眠のデータをもとに70万通りの組み合わせから選ばれ、自宅に届きます。
まくら先生も、店に行かずネットだけで作れます。直すときもLINEで教わって自分で調整するので、店に行ける日がなくても続けられます。
測ってもらわずに作って、本当に合うのでしょうか?
店で首のカーブを測って作るのとは、やはり別のものです。ただ、近くに店がないまま既製品を買い続けるよりは、自分の答えに合わせて作るぶん近づきますよ。
合うかどうかが不安な場合は、借りて試してから決める方法もあります。詳しくは下に書きます。
オーダーメイド枕の値段は上がってきています
いま調べた値段は、ずっと同じだったわけではありません。
じぶんまくらのレギュラーは、2026年3月30日に33,000円へ改定されました。改定前は27,500円です。
i+Pillowは2016年12月の発売時が19,800円で、2021年9月1日のリニューアルで22,880円になりました。
迷っている間に上がることがある、ということです。いま出ている値段は、あくまでも調べた日の値段だと考えてください。
下取りや割引で、枕の値段を下げられる店もあります
値段を比べるときに、引けるものも見ておいてください。
マイまくらは、古い枕を10,000円で下取りしています。レギュラーが44,000円なので、下取りを使えば34,000円です。
まくら株式会社は、22種類の枕を1,480円で借りて試せます。作る前に、高さの感じを確かめられます。
山田朱織枕研究所は、会員を続けているあいだ、2本目からの枕が1万円ほど引かれます。旅行用や昼寝用にもう1本作るなら、その分だけ安く作れます。
買う前に、10年ぶんの総額を出しておいてください
お店で聞いておくことは4つです。値段を見ただけでは分からないことばかりです。
- 無料で直せるのはいつまでですか?
- 無料が終わったら、1回いくらですか?
- その金額は1回ぶんか、1か所ぶんかどちらですか?
- 買った店以外でも直してもらえますか?
4つの答えを聞いたら、枕の値段に「1回の金額×20回」を足してください。それが10年ぶんの見積もりになります。
その数字で並べ直すと、店の順番は変わります。値札だけで選ぶと、あとから乗ってくる分が見えません。
直す代金がずっと無料の店なら、10年たっても払う金額は値札のままです。1回ごとに払う店なら、直した回数だけ積み上がります。
人気の枕ベスト3
オーダーメイド枕を作れるマイまくらを先頭に、そのあとは広告主のASPが公表している成果の出ている順で並べました。
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値段と直す代金が分かっても、通える店がなければ始まりません。
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